残業代について労働問題に関し、労働者側・会社側(使用者側)を問わず、弊所弁護士がよく相談を受けるものの一つが残業代請求に関する案件です。

残業代を請求する労働者側からご相談をうけることもあれば、残業代請求を受けた企業側からご相談を受けることもあります。

残業代請求を巡っては、往々にして、残業時間の認定や残業代の基礎となる賃金の認定等を巡って、労働者側・使用者側の主張が対立します。

残業代に関する法律問題に直面された場合には、是非いちど、ひびき法律事務所(北九州)の弁護士にご相談ください。

また、以下では、残業代請求に関し、労使共に把握しておくべき基本的な法律上のルールや知識などをご紹介します。

併せて、弊所では、近年・専門性・複雑性を増す残業代請求に関し、ホームページ上で、労使ともに抑えるべき基本的な情報を提供しています。参照リンクからご確認いただけますと幸いです。

残業代とは

「残業代」という用語は、会社等の使用者が労働者に支払うべき次の4つの賃金を総称します。

①時間外労働に対する割増賃金
②深夜労働に対する割増賃金
③休日労働に対する割増賃金
④法内残業に対する賃金

参照:時間外・深夜・休日労働に関する割増賃金と法内残業

上記の内、①~③は、労働基準法上、支払いが求められる残業代であり、残業代として、通常の賃金に一定の率以上で割増をした残業代の支給が必要になります。他方、④は、使用者・会社のルールに基づくもので、当該ルールに基づく賃金の支給が必要となります。

参照①:1日8時間、1週間40時間の時間外労働算定の具体例
参照②:深夜労働とは?その時間帯と割増賃金手当について
参照③:法定休日労働と割増賃金
参照④:法内残業における賃金

割増賃金について

割増賃金時間外労働や深夜労働、休日労働に対しては、労働基準法で、使用者が割増賃金を支払わなければならない旨、定められています。具体的な割増率は次の通りです。

 

残業 割増率
時間外労働 25%以上の割増
深夜労働 25%以上の割増
休日労働 35%以上の割増

 

弁護士が委任を受けて残業代請求を行うのは、多くの場合、この時間外労働・深夜労働・休日労働に対する割増賃金が支給されていない場合です。

残業代請求をめぐる争点・トラブル

残業代請求をめぐっては、時間外労働等の時間や1時間当たりの割増賃金の単価、固定残業代制度(定額残業代制度)の有効性などがしばしば争点になります。

その他、労働者が管理監督者に該当するかといった点が問題になることもあります。

時間外労働等の時間をめぐる争点

時間外労働等の時間をめぐってはしばしば次のような点が問題となります。

・時間外労働が実際に行われたか
・時間外労働が行われたとして、いつからいつまで行われたか
・就業規則に規定された休憩時間を労働時間に含むのか
・仮眠時間・手待ち時間を労働時間に含むか
・変形労働時間制等の有効性

その他、法定休日労働や深夜残業が適正に認定されているか否かなどもしばしば問題になります。

割増賃金の単価をめぐる争点

割増賃金の単価をめぐっては、当該労働者の1時間当たりの労働単価の認定が問題となります。その認定に際してしばしば問題になるのは次のような点です。

・通勤手当や家族手当、住宅手当などの各種手当が残業代算定の基礎となるか
・支給されている賞与・ボーナスが単価算定の基礎となるか
・ある名目で支給されていた手当が「残業代」に該当するのか
・本来支給されるべき手当・賃金が支給されていなかった場合の取り扱い

残業代請求を巡っては、割増賃金の計算の基礎となる1時間当たりの単価の差が大きな結論の差になることも少なくありません。そのため、各種手当が割増賃金の基礎となる賃金から除外されるか否かが大きな争点となることもあります。

参照:除外賃金とは

固定残業代制度の有効性

また、近年、残業代に関しては、固定残業代制度を導入している会社も少なくありません。固定残業代制度が有効であるためには、厳格な条件を満たしていることが必要です。しばしば次のような点が問題になります。

・固定残業代制をとることが労働契約の内容となっていたか
・固定残業代部分が、時間外労働に対する対価と認められるか
・みなし残業時間を超えた労働につき、清算がなされているといえるか
・みなし残業時間が公序良俗に反するほど長くないか(※80時間が一つの目安です)

参照:残業代の定額支給(固定残業代制度)の有効要件

残業代請求に関する案件を弁護士に依頼するメリット

残業代を巡るトラブルを適正に解決するには、上記のような労働時間の認定や各種手当の評価につき、事実の分析や証拠の評価などを適正に行う必要があります。

証拠収集のサポート及び評価

まず、残業代請求に関する案件において、もっとも重要となるのは証拠です。

どのような証拠があり、その証拠をどのように評価すべきか、によって、残業代請求の結論は大きく左右されます。

弁護士が依頼を受けた場合には、その証拠の調査・収集及び評価を弁護士がサポートします。

法的構成・法的評価を弁護士が行う

また、残業代請求に関する案件において、往々にしてその成否を左右するのは、事実をどのように法的に構成し、その事実にどのような法的評価を与えるかです。

本来主張すべき法的主張を怠った場合、不利な結果を招来しかねません。

弁護士にご依頼された場合、その法的構成・法的評価も一任することができます。

残業代計算を一任

また、残業代の計算は、労働時間・単価、法定休日・深夜残業などの諸要素を勘案して行わなければならないため、えてして複雑化します。

弁護士に依頼されることで、適正な残業代の計算も任せることが可能です。

示談交渉や訴訟・労働審判といった法的手続も一任できる

また、弁護士は、労働者又は会社を代理して、示談交渉や訴訟・労働審判(簡易な法的手続)などの法的手続を追行できます。

残業代請求に関する相手方とのやりとりをすべて弁護士に任せることが可能です。

また、弁護士に依頼された場合、示談交渉の段階で作成する各種書面のほか、裁判などの法的手続を追行するために必要な訴状や答弁書・準備書面といった書面の精査・作成・証拠の提出等を当然、弁護士が行うことになります。

裁判期日に出頭するのも、一定の期日を除けば弁護士だけでよいため、労働者本人あるいは会社代表者が出頭する必要はありません。

福岡地裁小倉支部における訴訟・労働審判

北九州に所在する福岡地方裁判所小倉支部では、当然訴訟手続を行うことも可能です。ひびき法律事務所で取り扱う多くの事件も同支部に係属しています。

また、労働審判は、各地方裁判所の本庁か、特定の地裁支部(全国に5つ)にて手続きを行うことが可能です。

そして、福岡地方裁判所小倉支部も、労働審判を行うことができる全国5つの支部の一つとなってますので、北九州でも労働審判手続を行うことが可能です。

そのため、北九州地域でも、残業代をめぐる案件につき、ケースによっては、小倉支部の労働審判手続において迅速な解決を図ることが期待できます。

ひびき法律事務所(北九州)に一度ご相談ください

弁護士に相談を残業代を巡るトラブルを適正に解決するには、労働時間の認定や各種手当の評価につき、事実の分析や証拠の評価などを適正に行う必要があります。

残業代を巡るこうした問題は、弁護士による法的支援を得ることで、適正な解決に導き得ます。

残業代を巡るトラブルを解決するため、ぜひ一度、ひびき法律事務所(北九州)の弁護士にご相談ください。お力になれると思います。